BMキャピタルは私募ファンドということもあり現在投資している銘柄については公表はされていません。投資銘柄も10銘柄程度に集中しており公表してしまうと真似されてしまいますからね。
しかし、運用報告書では過去にDealした銘柄が公表されていたりします。また、現在投資している銘柄も大量保有報告書が出されている銘柄については確認することができます。
以下はBMキャピタルが大株主となっていた銘柄の一つである萬世電機です。
第4位の株主となっていました。(現在は利確済みとなっています。)
本日はBMキャピタルが以前投資を行い利益を確定したサンテックを例にBMキャピタルの投資手法をお伝えしていきたいと思います。
関連記事:【BMキャピタル体験談】投資家歴9年の投資家目線で評判のBM CAPITAL(ビーエムキャピタル)を徹底的にわかりやすく解説!
サンテックとは?
まず、サンテックの会社概要についてお伝えしていきたいと思います。
名称 | 株式会社サンテック 英語名 Sanyo Engineering & Construction Inc |
会社設立 | 1948年10月28日 |
資本金 | 1,190,250,000円 |
上場市場 | 東証二部 |
時価総額 | 115億円 |
代表取締役 | 加藤剛志 |
事業内容 | 内線部門 |
空調・管工事部門 | |
ファシリティサービス部門 | |
電力部門 | |
海外部門 | |
電機工場部門 |
重要なのは時価総額が100億円規模と超小型株ということです。実は、この超小型株であるということがBMキャピタルの投資において重要になってきます。
ではBMキャピタルが投資を行った根拠について見ていきましょう。
BMキャピタルが投資を行う銘柄の条件
BMキャピタルは借金を支払った後の保有している現金性資産である正味現金性資産だけで時価総額を上回る銘柄に投資をします。
現金性資産とは現金に加えて現金換金可能性が高い有価証券や営業債券を含めた資産です。設備や建物や土地など不確かなものを含めません。
そこから総負債を差し引いた正味現金性資産のみで時価総額より高い銘柄を選択します。
この条件を満たす銘柄は時価総額で丸ごと買い取って、会社を清算するだけで利益を得ることができる銘柄ということになります。
100億円で買い取って、借金支払った前提で200億円の現金保有してたら丸儲けですよね。こういう銘柄を選定しているのです。
BMキャピタルが投資した際のサンテックのバランスシート
では、まずBMキャピタルが投資した際のサンテックのバランスシートをみていきましょう。
【資産】
=
現預金77.8億円+受取手形183.3億円+投資有価証券40.5億円
-
貸倒引当金18.5億円
=
283.2億円
となります。次に負債について見ていきましょう。
つまり正味現金性資産は現金性資産283.2億円から総負債134.7億円を差し引いて148.5億円ということになります。今までの点をまとめると以下の通りとなります。
次に時価総額についてみていきましょう。
実質株式数は発行済株式数から自社株を差し引いて18,999,632株となりいます。当時の株価が417円なので79億8000万円となります。
つまり、以下の通りBMキャピタルの投資する銘柄の条件を満たしています。
要は当時サンテックは79.8億円で購入した上で、サンテックを清算するだけで148.5億円を得ることができる状態だったということです。
このように割安な銘柄は大型株には存在しえません。機関投資家や証券会社に分析されているからです。
一方、小型株は彼らの目が行き届かないので異常なレベルの割安な銘柄が存在することとなるのです。
更にサンテックは本社及び旧本社を東京都千代田区に保有しており、地価上昇で不動産価値は大きく上昇していました。
特に本社がある麹町では日本テレビが再開発を行 っており新たなスタジオを建設中です。これによって周辺の不動産需要は高まるものと 予想されていました。
つまり簿価では土地が 37.57 億円、投資不動産が 45.5 億円と記載 されていますが、
上述の都心の不動産のみならず地方の資材置き場や営業所の不動産も加算すると含み益が生じている可能性が高い状態だったのです。
BMキャピタルの利益確定のタイミング
投資をしてから暫くして営業外収益の発生と繰延税金資産の計上についての発表がありました。
そしてこのニュースを受けて株価が上昇したポイントで売却して99%のリターンを得て利益確定をしています。以下の赤で仕込んで、緑色の時点で利益を確定しています。
BMキャピタルでは事業価値を含めてサンキャピタルの価値を1187円と評価していましたが、株価が現金価値単体の782円に近くなった局面で利益を確定しています。
感情ではなく、しっかりとした理論に基づいて利益を確定しているということが分かります。
今回のケースは非常にラッキーなパターンですね。BMキャピタルが投資する小型株は何もしないと注目が集まらずに株価が低迷したままの可能性があります。
そのため、基本的には大株主となったBMキャピタルが大株主として働きかけて自社株買や増配などを実施させて能動的に注目させて株価を引き上げます。以下がその例です。
→ BMキャピタルの過去投資事例をわかりやすく紐解く!安定した運用実績の根底にある手法とは!?
まとめ
BMキャピタルは清算したら即利益がでるようなお宝銘柄に狙いを定めて投資を行います。
そのため下落耐性が高い安定した運用を実現できているのです。
直近の2024年日経平均暴落も注目していましたが、やはり回避していました。ダウンサイドがないからこそ、アップサイドの幅が大きくなるのですよね。
そして、利益確定についても感覚ではなく理論値を元に淡々と行っており、投資家として非常に優れた手腕を有していることが分かります。
BMキャピタルについては以下で詳しくまとめていますのでご覧ください。