先日は東京海上ジャパンオーナーズを取り上げましたが、本日はnetWIN GSテクノロジー株式ファンドを取り上げます。
ゴールドマンサックスシリーズですね。世界のテクノロジー企業に投資をする兄弟ファンドともいえるネクストウィン という投信もあります。
今回、取り上げるのはネットウィン です。
- ネクストウィンとは何が違うのか?
- どのようなファンドなのか?
- 今後の見通しはどうなのか?
という点を中心にお伝えしていきたいと思います。
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Contents
netWIN GSテクノロジー株式ファンドの特徴
では概要と特徴を見ていきましょう。
運用会社はゴールドマン・サックス・アセットマネジメント株式会社
運用会社は当然ゴールドマンサックスのアセットマネジメント部門の役割である会社です。
オフィスの所在地は 六本木ヒルズ 森タワーです。キラキラですね。しかし、キラキラが収益を生むわけではありません。
純資産残高は約289兆円と桁違いですね。債券が最大のポーションとなっています。大手金融機関としては当然ですね。
投資哲学や投資対象となる銘柄
銘柄の選定ポイントは米国株、そしてテクノロジー企業となっています。
本ファンドでは、主に米国を中心とした「テクノロジー・トールキーパー」企業など、テクノロジーを活用する ことで、コスト構造、収益性、競争優位性の改善や維持が期待できる企業や、ビジネス・モデルの継続性が 期待できる企業の株式に投資します。
2022年現在、金融引き締めをFRBが本腰で行っている中、最も株価が暴落しているセクターが米国のテクノロジーですが、パフォーマンスが不安になってしまいます。
さらに具体的には以下の3つが合わさった企業に投資をしていくことになっています。特段珍しい点はありません。
今思えば東京海上ジャパンオーナーズが、オーナー企業に特化しているのは本当に珍しいファンド方針ですよね。
①強固なビジネス・フランチャイズ
● 確立されたブランド ● 高水準の市場シェア ● 商品の価格支配力 ● 継続的な収益構造 ● 高い投下資本利益率
②優秀な経営陣
● 合理的な資本配分 ● 一貫性のある事業業績 ● 株主と同じインセンティブ
③優れた 長期見通し
●予測可能かつ持続的な成長性 ● 長い製品ライフ・サイクル ● 強固な競争優位 ● 人口動態から見た優位性
ネットウィンの組み入れ銘柄
2024年6月末のポートフォリオは以下となっています。
ハイテク企業セクターが中心となっています。AIブームで一時的に2023年は株価反発しましたが、AIバブルの筆頭であるNVIDIAも既に天井をうった動きとなっています。
ハイテク株が多く組み入れられているナスダック100指数も下落に転じています。
ネットウィンじゃわかりやすくマイクロソフト、アマゾン、アップル、アルファベットと日本でいう『GAFA』に投資しています。
米国の成長ドライバーであるテックは一旦、数年はお休みだと思います。2024年中頃までの反発に惑わされないでください。
以下は過去からのポートフォリオの異動ですが、主力は同じ顔ぶれです。
No. | 2024年6月末 | 2024年1月 | 2023年10月末 | 2023年6月末 | 2023年4月末 | 2022年12月末 | 2022年9月末 | 2022年6月末 |
1 | アルファベット | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | アップル |
2 | アップル | アルファベット | アマゾンドットコム | アルファベット | アルファベット(GOOG) | アマゾン | アマゾン | マイクロソフト |
3 | マイクロソフト | アマゾン・ドット・コム | アルファベット | アマゾンドットコム | アマゾン | アルファベット(GOOG) | アップル | アマゾン |
4 | エヌビディア | エヌビディア | エヌビディア | エヌビディア | アップル | エヌビディア | アルファベット(GOOG) | テスラ |
5 | アマゾン | マーベル・テクノロジー | ビザ | アップル | エヌビディア | アップル | アクセンチュア | アルファベット(GOOG)C |
6 | マーベルテクノロジー | アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) | KLAコーポレーション | マーベルテクノロジー | ビザ | KLAコーポレーション | アメリカン・タワー | アルファベット(GOOG)A |
7 | テクサス・インスツルメンツ | セールスフォース | アップル | アドビ | マーベルテクノロジー | ビザ | パロアルトネットワークス | フェイスブック |
8 | KLAコーポレーション | エクイニクス | マーベルテクノロジー | ビザ | アドビ | アクセンチュア | KLAコーポレーション | エヌビディア |
9 | セールスフォース | ワークデイ | エクイニクス | パロアルト・ネットワークス | エクイニクス | アメリカン・タワー | エクイニクス | ブロードコム |
10 | アドビ | アップル | テキサスインスツルメンツ | KLAコーポレーション | KLAコーポレーション | エクイニクス | シスコシステムズ | ペプシコ |
マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、アップルといった超大型のテック銘柄を多く組み入れています。
もはやハイテク株の比率が多いナスダック総合指数やナスダック100指数と同じリターンになるのではと容易に予想できます。
これらの銘柄は2022年暴落しましたが、2022年末からブームになってるAIの影響で大型テック銘柄に追い風が吹いており株価は盛り返しています。
以下はChatGPTを運営するOpenAIに出資しているMSFTの株価推移です。
生成AIバブルで上昇をしてきましたが、下落に転じていますね。
ネットウィンの運用成績(為替ヘッジあり、なし)
お待ちかねの運用実績です。以下は為替ヘッジなしの運用パフォーマンスです。
為替が40%上昇している中の成績ですので、あまり参考になりません。むしろ為替ヘッジありを見なければなりません。
むしろ注目すべきはITバブル崩壊時の2000年くらいの成績ですね・・・。15000円から5000円へと基準価額が減少しています。
これはバブル崩壊の市場大暴落に加えて、円高が合わさりあった大崩壊とも言えるでしょう。
そして、15000円を超えたのは2015年以降ですので、実に15年以上も含み損を抱えていたファンドなのですね・・・。
リーマンショックもしっかり被弾しています。とても実力があるファンドとは思えません。
実力があるファンドとは、「暴落を回避できるファンド」です。暴落を回避することで、他者をアウトパフォームできるのです。いちいち被弾していては資産は増えません。
ネットウィンは2022年、-30.62%とファンドとしては大失態のレベルです。1999年より運用が開始されていますが、4.5倍程度にしかなっていないのですね。
24年ほどの運用で年率は7%以下です。インデックスファンドにすら劣後します。インデックスの真似をしてポートフォリオを組んで、アンダーパフォームしていては仕方ありません。
2010年代、特に2020〜2021年はあれだけバブルだったのに、物足りない印象です。しかもこれは為替益が+30%以上あってこの有様です。
そして、2024年以降はFRBが政策転換した場合、大きく円高が進む可能性が非常に高く、さらにリターンは低くなっていく可能性があります。
設定来や10年リターンも2020年バブルがなかったらと考えると、かなり恐ろしいです。(30年続いた米国の低金利政策に乗れたのは非常に幸運)
本当の実力を見ていきましょう。以下は為替ヘッジありのパフォーマンスです。
やはりパフォーマンスはこの2022年で-42%となっており、自分の大切な資金を預ける気にはなりません。
設定来は2倍程度であり、為替がないと年率で3.5%程度にしかなりません。本来の実力はこんなものです。インデックスファンドのように見えて、インデックスファンドよりも低いリターンとなります。
しかし、2022のパフォーマンスはひどいですね。基本的に資産運用はマイナスを抑えることが最大の成功要因です。
ここまで簡単にマイナスを出してしまい、設定来も23年運用して120%ですので、安定感に欠けると言わざるを得ないでしょう。
S&P500指数とネットウィンの比較
それではドル建で比較するためにS&P500指数とネットウィン(為替ヘッジあり)を並べたチャートが以下となります。
2022年まではS&P500指数に勝っていましたが2022年の暴落によって大きく劣後しています。S&P500指数の下位互換のファンドといえるでしょう。
下落耐性の弱さが目立ちます。
そもそも2021年までであってもS&P500指数に投資するのと変わりませんからね。
キャピタル世界株式ファンドや世界のベストのように結局は手数料が高いだけのインデックスファンドになっているのです。
結局、一番儲かるファンドはどのようなものなのかという点については以下で詳しくお伝えしています。
ネットウィンの掲示板での口コミ評判
掲示板での評判も見ておきましょう。
運用でマイナスが広がっていて気になるが上がるのか?心配です。誰かアドバイスください。
NASDAQの下落が止まらんな
我慢、我慢😖
もう死にたくなったきた
大和証券を信じた私がバカだった
見切り付けてよかった。
大和証券を信じた私がバカだった
2020年までは歓喜の声が上がっていましたが、現実に戻された投資家が最近は多数いるようでした。
2024年以降の今後の見通し
2024年2月現在、米FRBは引き続き利上げ、QTを継続しており、まだまだインフレ率も落ち着いていない状況です。テクノロジー企業と不動産企業は当然、高金利の際に最も業績が伸びない属性です。
ネットウィンはそんな銘柄群を主力ポートフォリオに据えていることから今後の見通しはしばらく厳しいのではないかと思います。
現在、米国の長期金利は一旦落ち着きを取り戻し下落する構えをみせていますが、再び金利は上昇基調となっています。
つまり、今後インフレが粘着して反発することを織り込んでいるのです。
【ネットウィン 】どこまで上がる?掲示板でも評判のnetWIN GSテクノロジー株式ファンドを2024年以降の今後の見通しや掲示板での口コミを交えて解説!
また、これは筆者の見解でもありますが、「GAFA」の株価はもう上がりきったのではないかと考えています。
そしてグーグル、アマゾン(CEOジェフベゾスも退任)などもコロナ相場で株価は上がりきったようにも感じます。
上記銘柄の短期的な反発はあるかと思いますが、長期的にはバリュー株と同様の動きをするかと思います。低成長銘柄とは大きく株価は上昇しません。
とにかく、今ネットウィンを買うのは危ないと断言することはできます。