ハヤテグループといえば、プロ野球球団増設の話題で一時期よく聞く名前でした。
<速報>
2023年7月31日(月)にハヤテグループのハヤテ223(フジサン)株式会社は、日本野球機構(NPB)様へファーム・リーグへの参加申請書を提出させて頂きました。
このたびハヤテグループは静岡を本拠地とさせて頂き、2024年春のプロ野球参入を目指します。日本のプロ野球が現在我々の知る12球団制となったのは1958年とのことであり、66年ぶりに球団数増を伴う13球団目の新球団創設を目指すものです。
2022年11月24日に日本野球機構(NPB)様より発表されました「NPBビジョン」への賛同はもちろん、私どものような中小企業に対しても門戸を開いて頂いたことに対して深い感謝の念を抱きつつ、新たな挑戦に臨みます。
しかし、運用先としてはハヤテグループのハヤテインベスト(ハヤテ・ジャパン・エクイティ・ロングショート・ファンド)はどのような運用成績となっているのでしょうか?
筆者はヘッジファンド投資を長らく実践してきましたが、ハヤテインベストももちろん検討したことがあります。
しかし、検討するたびに投資は見送っていました。今回、再度詳しく見ていこうと思います。
Contents
ハヤテグループとは?
グループ事業は多角化
ハヤテグループが行なっている事業領域は3つです。
1.成長企業支援(金融)事業
- 上場・未上場企業への成長資金提供 投資助言・運用業務をはじめとする投資ストラクチャの組成および運用管理
- 財務アドバイザリー、企業価値評価業務および経営コンサルティング
2.ディープ・テック事業
人工知能研究所の運営 AIと非接触センシング技術を用いた乳幼児の健康・福祉・教育事業
3.新規事業
スポーツチーム・アスリートのDX支援
話題になっているプロ野球球団の話は、3.のスポーツチーム・アスリートのDX支援領域でしょうね。
投資に関しては当然成長企業支援(金融)事業の領域です。
グループの設立は2005年と実は20年近くが経過しており、本社も株式の街、兜町に構えていますね。
日本取引所グループの隣のオフィスビルがハヤテグループのヘッドクォーターとなります。
グループ名 | ハヤテグループ |
---|---|
本社 | 〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町6-5 兜町第6平和ビル2階 |
設立 | 2005年8月 |
資本金 | 1.45億円(資本準備金を含む) |
創業者は杉原行洋氏
創業者は杉原氏です。メディアでもよく取り上げられております。ドラマに出てきそうな絵に描いたようなエリートですね。
代表の杉原行洋氏(44)は意外にも文学部の出身で、ゴールドマン・サックス証券や国内投資顧問会社を経て27歳の若さでハヤテインベストメントを設立した。現在では、投資助言・運用業務にとどまらず、人工知能(AI)の研究・ディープテック事業にも挑戦の幅を広げている。
生まれ変わったら杉原氏のような・・・とかではなく、我々は投資家です。
杉原氏傘下のハヤテインベストの運用が堅実なものであれば、乗らせていただきたいという思考で生きていく必要があります。
後続で運用成績はお伝えしますが、杉原氏の経歴に注目いただくと、東京大学出身のゴールドマン・サックス証券を経てのハヤテインベスト設立となっています。
真のエリートとも言える経歴です。
筆者はファンドを選ぶ時に、ファンドマネジャーや社員の経歴にはとても注目します。
なぜなら、相場とは簡単ではなく、一流の頭脳を持ってしても長期に渡り成果を出し続けるのは難しいからです。
一流の頭脳が、がむしゃらに努力をしてようやくリターンを取れる環境であることから、そもそも綺麗な経歴くらい簡単に取得しておいて欲しいのです。
また、欧米の成果を出しているヘッジファンドのマネジャーは総じて素晴らしい大学を出ています。
経歴が素晴らしいファンドマネジャーや社員が在籍する会社であれば、大怪我する可能性はかなり低いとも見積もっています。実際にそうだと思います。
その点、ハヤテインベストは杉原氏の経歴も申し分なく、十分に検討を開始したいファンドであるといえます。
ハヤテインベストの運用成績は?
ハヤテインベスト(ハヤテ・ジャパン・エクイティ・ロングショート・ファンド)の運用手法
名前の通り、株式のロングショート戦略(Long-Short Strategy)を実行しリターンを獲得していくファンドであることがわかります。
ヘッジファンドのロングショート戦略は、投資界において精緻で効果的な戦術とされています。
この戦略は、市場の波をうまく乗り越え、投資ポートフォリオに対する高度な制御力を提供します。
この戦略の核心には、ロングポジションとショートポジションという、対照的なポートフォリオ要素があります。
ロングポジションは、資産や証券の将来の価格上昇を見込んで取得することを指し、一方、ショートポジションは価格の下落を予測し、資産を借入して売却する手法です。
この組み合わせにより、市場の方向に対する依存度が低くなり、リスクが分散されるため、ポートフォリオの安定性が向上します。
魅力的な側面の一つは、相対的なヘッジとアルファの創出です。この戦略は市場指数に対する追加収益を目指し、市場全体の動きに左右されることなく運用できます。
要するに、市場が上昇しても下落しても、ロングショートヘッジファンドはその変動に適応し、アルファを生み出し続けます。
ただし、この戦略の成功には慎重なリスク管理と適切なポジションの選択が欠かせません。
投資家は、深いリサーチと経験に基づく洞察力を持ち、市場の機会を的確に特定する必要があります。
ロングショート戦略は、特に市場が不安定な状況下で輝きを放つことがあります。
しかし、その魅力とリターンは、的確なポートフォリオ管理とトレードによってのみ実現可能です。
この戦略は、冒険的な投資家にとって魅力的な選択肢となり得ますが、その効果を最大限に引き出すには専門的な知識とスキルが必要です。
ハヤテインベストの運用成績
運用成績は以下となっています。最新版の情報を取得するのが難しく、2020年10月までとなります。
14年分の情報があるので、ある程度はハヤテの実力値は把握できます。
年 | 運用利回り | 想定元本(100万円開始) |
2006 | 2.00% | 1,020,000 |
2007 | -3.22% | 987,156 |
2008 | 5.56% | 1,042,042 |
2009 | 12.00% | 1,167,087 |
2010 | 2.03% | 1,190,779 |
2011 | 9.45% | 1,303,307 |
2012 | 12.22% | 1,462,572 |
2013 | 98.74% | 2,906,715 |
2014 | 19.41% | 3,470,908 |
2015 | 2.00% | 3,540,326 |
2016 | 11.42% | 3,944,631 |
2017 | 42.74% | 5,630,567 |
2018 | -16.15% | 4,721,230 |
2019 | -4.35% | 4,515,857 |
2020/10月 | -29.10% | 3,201,742 |
CAGR | 8.67% |
2013年に98%、2017年に42%のリターンを出しているにも関わらず 、2018年以降に大きくマイナスを出してしまっています。
結局年平均利回りは8%に落ち着いており、インデックスファンドをわずかに超える水準となっています。
正直、ここまでボラティリティが高いのですから、もう少し高いリターンを期待したいところです。
ヘッジファンドの強みとしては下落耐性に強い面があり、やはり3年連続でマイナスを出している点が筆者にはどうしても投資実行の意思決定には至りません。
それならば、年平均利回り10%を出し下落耐性もあるBMキャピタルで良いではないかと思ってしまいます。
→ 【BMキャピタル体験談】投資家歴10年の投資家目線で評判のBM CAPITAL(ビーエムキャピタル)を徹底的にわかりやすく解説
ハヤテインベストの評判は?
最後に評判を確認しましょう。
2軍リーグ戦に参加するチームを増やすのは大賛成だけど、ハヤテインベストが参入する意味が情報も少なすぎて皆目理解できない。
— あ/しゅ ハマスタ9/2,13 (@ash_bbizm) September 16, 2022
だから某ハヤテインベスト問題の腹いせだと…
— GKO@ -打ち克つ- (@gko86) January 27, 2023
ハヤテインベストさんか。会社員としては会社に資本コスト意識してちゃんと本業に邁進しなさいという立場なのに何道楽しとんねん…と思う一方で、野球ファンとしたらやりなさいやりなさいと https://t.co/hNzpJtUcaI
— コリ・ペイビン (@corypabin) September 16, 2022
ハヤテインベストって、シャルレのMBOでやらかしたところだったっけ?
— 山口三尊(福永活也被害者の会代表幹事) (@kanebo162) January 7, 2020
野球の話題ばかりですね。そもそも私募ファンドですからあまり情報は出てきませんが、上記の運用成績で実力値はある程度わかりましたよね。
まとめ
ハヤテインベストの運用成績を示し、その安定性やリターンについて評価を述べました。
過去の運用データから、ハヤテインベストの年平均利回りは8.67%であり、ボラティリティが高い傾向があります。
この点から、一部の投資家には不安要素があるかもしれませんが、結論としてハヤテインベストの評判については情報が限られており投資判断には慎重に検討が必要となります。
ヘッジファンドは様々な会社が日本にもあり、筆者もかなり網羅的にまとめています。