BMキャピタルは筆者が2015年から8年間投資しているヘッジファンドです。
本日はBMキャピタルについて懸念されている点にフォーカスを当ててお伝えしていきたいと思います。
以前、スキームについては法的にも問題なく実態も確認されていることを解説しました。
本日はこれに加えて以下の2つの点について調べたポイントを共有させて頂きたいと思います。
✔︎ 何度も解散している形跡が見られるが大丈夫なのか?
✔︎ 解約条件はどうなっているのか?解約はできるのか?
Contents
<復習>合同会社の社員権販売スキームとは?
今回の懸念点についてお伝えするにあたって前提知識としてBMキャピタルの募集スキームを理解している前提があるので以前の復習を軽く行います。
詳しくは以下をご覧いただければと思います。
BMキャピタルは合同会社の持ち分を販売し、運用利益を持ち分に応じて分配するという形式をとっています。
上記の説明だと難しいですが要は投資信託などと同じで出資した金額に応じてリターンが分配されるというものです。
このスキームは金融庁への登録を行なっていないので証券会社などを使って資金を公募することはできません。
しかし、投資手法を宣言されることなく自由に運用を行うことができます。
投資信託では一銘柄あたりの投資制限などもありBMキャピタルが得意とするアクティビスト戦略(=物言う株主)が実行できませんからね。
また、様々なコストの発生も抑えられれ運用に集中することも大きな利点となっています。
このスキームはJR九州などの大企業も利用しており合法的なスキームであることは弁護士や行政書士も認めています。
しかし、出資者を499名までに制限されるという制約があります。そのため一人当たりの出資金額を1000万円以上としているわけですね。
→ BMキャピタルはいくらから投資できるのか?最低出資額について解説!
何度も解散しているけど大丈夫!?
さてここからが本題に入りたいと思います。
BMキャピタルは合計3回解散している
国税庁の法人番号公表サイトをみると以下の通り3回解散して法人を閉鎖していることが分かります。
おそらく一番下のビーエムキャピタルマネジメント合同会社は住所からも別会社かと思います。
では、なぜこのような何度も解散する必要があるのでしょうか?
筆者も気になり営業員の方に質問したのですが、以下の通り納得のいく答えが返ってきましたので安心しました。
募集人数に制限があることが原因
何度も解散しているのは最初の申し上げたスキームの制限に起因しています。合同会社の社員権販売スキームでは499人までしか出資者を募ることができません。
そのため最低出資額の1000万円で499人集めると4億9900万円しか資金を集めることができません。
これではファンドとして行っているアクティビスト投資を有効に実施することができません。
アクティビスト投資というのは企業の大株主になり株式価値を上げる提言を行い実行させて能動的に株価を引き上げる手法です。
圧倒的に割安に放置されている銘柄を購入して、アクティビスト投資を実行して市場からの注目を集めて株価を引き上げてリターンを得るという手法です。
アクティビスト戦略の実例に関して説明しているサイトがありましたので興味のある方はご覧いただければと思います。
→ アクティビストファンドとして有名なBMキャピタルの組み入れ銘柄の特徴を解剖!過去の投資先をわかりやすく解説!
この戦略を実行するためにBMキャピタルとしてはより多くの資産を集める必要があるのです。
そのため499人に達したらある処理を行なって投資家たちを更に優良なスキームへと案内して運用が継続されるシステムをとっています。
この点については面談で聞いていただければと思いますが、実際に筆者も継続して運用がなされています。
ポンジスキームではない証拠
ポンジスキームとは投資家が出資した資金を運用をせずに、そのまま既存の投資家に分配するという詐欺スキームです。
新規投資家から集まる資金の方が多い時はファンドの規模が大きくなりますが、新規投資家からの出資より既存投資家への分配が大きくなるとファンドの規模が小さくなります。
そのため、この臨界点を迎えたらファンドは蒸発して集めた資金を持ち逃げします。
ポンジスキームでは新規投資家から出資金をあつめるため以下のような宣伝を行います。
- 不自然なまでに毎月プラスのリターン
- 年利30%以上のリターンを喧伝
投資の神様であるバフェットですら長期の平均リターンは20%です。そして当然マイナスリターンの月も存在します。
そのような難しい投資の世界で毎月常にプラスをだしているようなファンドは逆に怪しいのです。
そしてもう一つの特徴として元本を簡単に引き出せない契約になっていたりします。
既存投資家が元本を引き出してしまうと、資金流出が加速して立ちゆかなくなってしまいますからね。
一方でBMキャピタルは堅実な年率10%程度のリターンを目指すと謳い、年度ベースではマイナスの年はありません。
ただ、月次ベースでは頻繁にマイナスをだしています。
また、次の項目でお伝えしますが解約も問題なくできます。
更に決定打となるのが実際に大株主として証券会社のHPに乗っていることがポンジスキームではない確たる証拠となります。
ポンジスキームではないと断言しても差し支えないでしょう。
BMキャピタルの解約条件とは?ヘッジファンド特有のロックアップについて解説!
出資をするのと同様に重要な事項として解約があります。
ポンジスキームなどの詐欺ファンドでは見た目上の報告される資産は増えていきますが引き出すことができず利益が現実のものとはなりません。
あくまで架空のものなのです。ポンジスキームでは元本の引き出しを禁止してたり、抽選によって引き出しを決定するという怪しい条項がつけられています。
BMキャピタルの場合は出資も解約も四半期に1度行うことができます。
四半期末とは3月末、6月末、9月末、12月末ということです。一般的な企業の四半期決算のタイミングと同じですね。
例えば2023年2月14日に出資申し込みした場合、運用開始となるのは2023年4月1日からとなります。
そして2024年5月20日に解約申し込みしたら2024年6月30日まで運用がなされて6月30日時点の残高が返金されるということになります
筆者も住宅を購入する際の頭金に資金が必要になり、資金を一部引き出したことがあります。
資金を引き出した際、BMキャピタルは四半期末に迅速かつ確実に返金を行い、その信頼性に感銘を受けました。
資金の返金問題は、投資界で大きな話題になることがあります。
例えば、FX取引で多くの出資者を集めていたエクシア合同会社では資金引き出しの問題が訴訟に発展するなどの事態が発生しています。
しかし、BMキャピタルでは過去10年間、資金返金に関する苦情や金融庁からの指摘が一切ないことから、その安定性と信頼性が窺えます。
BMキャピタルでは3ヶ月に一度の解約期間が設定されています。これは、解約に関する心配を排除するための措置です。
ヘッジファンド全体に共通するこのポリシーは、海外のファンドではさらに厳しく、年に1回しか解約できない場合もあります。
このロックアップ期間の設定は、顧客の出資金の大きさと重要な投資の安定性を確保するためです。
四半期ごとのタイミングであれば、ファンドマネージャーは投資計画に沿って効率的に運用することが可能になります。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下となります。
ポイント
- BMキャピタルが解散しているのはスキーム上の問題
- ポンジスキームではないことは投資の実態が確認されていることからあり得ない
- 解約も出資も3ヶ月に1回のタイミングで可能
- ロックアップはヘッジファンドでは一般的で3ヶ月に1回は良心的